歩行器について(一般・介護職向け)

目次

はじめに

北海道では3月としては早い2桁気温のことが多くなってきており、雪が完全に溶けるまでのカウントダウン始まりました。

雪が溶けると外出する機会が増えるため、歩行器レンタルの依頼が増えてきます。そこで今回は使われる頻度の高い歩行器の種類とそれぞれの特徴を解説し、どんな人にどんな歩行器が合っているのか解説していきます。

歩行器の種類について

現在は様々な種類の歩行器がありますが、ここではレンタル商品として扱われ、多くの方が利用されている歩行器である「固定型歩行器」と「キャスター付き歩行器」の解説をしていきます。

固定型歩行器

固定型歩行器はその名の通り歩行器自体が固定されています。

キャスターもついていないため、自ら進行方向に持ち上げて使用します。

そのため安定性は高いですが、立っている状態で歩行器の重さ(約2~3㎏)持ち上げる腕力とバランス能力があることが大前提となります。

逆に持ち上げて使うように設計されているが故に段差を越えることができるとも言えます。

最も適している人
自宅内のちょっとした段差が多いし歩行が不安定だけど、歩いて生活したい人

キャスター付き歩行器

キャスター付き歩行器はその名とおり、歩行器自体にキャスターがついている物の総称となります。

ここから更に分類されるのですが、混乱を招くことが多いのでここでは「サークル(馬てい)型」と「シルバーカー」の2分類とします。

サークル(馬てい)型歩行はその名通り、歩行器を上から見た際にサークル型・馬ていの形に似ていることが特徴です。

このサークルの部分に腕を乗せることで歩行が安定します。

歩行器の中でも群を抜いて安定性が高く、足への負担が減るため、痛みがある人にも非常に有効ですが、大きな欠点があります。

とっても楽ちん♪
ドアの間口を通るのが精一杯で
トイレ内で方向転換ができない!

それは歩行器自体が大きく、日本の住宅には適さないことです。

そもそもドアを通り抜けられる家と抜けられない家があること、仮に抜けられたとしてもトイレの中で狭すぎて使えないなど様々な問題があり、多くは施設や病院で使用されています。

最も適している人
施設や豪邸に住んでおり、歩行能力が極度に低下している人や足の痛みが強い人

シルバーカー

シルバーカーは最もよく見かけるいわゆる「手押し車」です。このシルバーカーは日本の住宅にも適しており、尚かつ屋外を歩くのにも利用できる優れ物です。

福祉用具レンタルでも最も採用されることが多い商品です。商品によっては座ることができる物や下り坂では自動でブレーキをかける機能があったりと種類も豊富です。

使用される方が多い歩行器!
疲れた時にどこでも休めるのは
非常に心強い!

少し前まではデザインも格好悪くて荷物を入れるスペースも少なく、敬遠する高齢者が多かったですが、近年はデザインも格段に改良されており、荷物を入れるスペースも広くなり以前よりもシルバーカーの使用に対する抵抗感が減ってきています。

シルバーカーは様々な種類があるため、最も適した人を表現するのは難しいですが、一般的にシルバーカーは屋外で使用されることが多いため、「杖では歩行に不安がある人や長い距離を歩く人」とします。

シルバーカーは歩行に少し不安を覚えてきた方が使用されることが多いので歩行器の入り口と言っても過言ではないかもしれません。

最も適している人
・杖では歩行に不安がある人
・長い距離を歩く人

おわりに

気温が暖かくなるにつれて外出の機会が増えてきますが、外出の機会が極端に減った冬の間に歩行能力や体力が低下していることは非常に多く、理学療法士の視点からしても北海道では一冬ごとに歩行能力と体力が低下すると感じています。そして一番厄介なのが本人も自覚していないことが多いことです。

屋外では人の波ができたり、路面の凹凸があるなど転倒する要素は挙げたらキリがないほどあります。

そこに冬の間に低下した身体機能と悪いように合致してしまうことで転倒してしまいます。この転倒を防ぐためにも春先だけ歩行器をレンタルするという手段もありますが、身体機能低下は本人が気づいていないことも多いので周囲の人から声をかけることが重要だと感じています。

追記:今回解説した歩行器の他にもたくさんの種類があるので疑問に感じた際にはお気軽にご相談ください。

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