はじめに
春先になり介護保険を利用したバリアフリーリフォーム(以下リフォーム)をする方も増える時期になりました。
このリフォームについて2023年4月20日の北海道新聞朝刊に記事を掲載して頂きました。
介護保険のリフォームはそもそも何か?いつ・どうやって利用したら良いのか?これらの疑問について掲載して頂きましたので是非ご一読ください。
転倒の予兆!?歩行が不安定になっているサイン
そもそもリフォームが必要なのかどうかで悩み、そのうち転倒してしまった後にリフォームを行う方が多いです。
しかし高齢者が転倒をすると約10%の確率で骨折してしまうといわれ瘦せている方、骨粗しょう症の方、超高齢の方はさらに確率が高くなってしまうため、転倒する前にリフォームすることを推奨しています。
そこで誰でも簡単にわかる歩行が不安定になっているサインを記載しています。サインとしては主に以下の4つを挙げています。
いずれも本人は無意識で行っておりなかなか気づくのが難しいので周囲の人が確認してあげるのが一番わかりやすいです。このサインが出現したらまずはお住まいの市・区役所に相談し介護認定を申請しましょう。
介護保険を利用したリフォームまでの手順
市・区役所に介護認定を申請すると後日、介護保険認定調査員がj自宅に来て現在の身体状況や日常生活で困っていることを聞かれます。
この情報を基に要支援・要介護認定の判定を行います。この際に調査員から聞かれたことに対して辛いことを大丈夫と言ってしまうことや普段の動作より頑張ってしまう方がいますが、介護認定を受けることは決して恥ずかしいことではありませんのでありのままを伝えるようにしてください。
1か月ほどで判定され要支援となればお住まいの地域包括支援センターの職員が、要介護となれば自分で選んだ居宅介護支援事業所の職員が「ケアマネージャー」として担当につき、知っているリフォームの対応事業所を紹介してくれます。その後の流れについてはケアマネージャーやリフォーム業者が説明するのでここでは割愛します。
「理学療法士の福祉用具屋さん」リハビリフォームの強み
リハビリフォームでは利用者の動作を詳細にみて、その動作が今後どう変化していくのかをみることができる専門家の理学療法士がいるため、その方にあった最適なリフォームの提案をします。また必要に応じて福祉用具も提案しその方が転ばず安全に生活できるよう支援します。
ある論文によれば「バリアフリーリフォームはその方の身体機能の状況を把握する非常に専門性の高いことである」との記載や「理学療法士が介入しないことでその後の手すり使用率が下がり、使われない手すりが増えてしまう」との記載もあります。
論文に記載してあることが全て正しいとは限りませんが、前述した論文からは介護保険を利用したリフォームにおいては「理学療法士の福祉用具屋さん」が最適と言えるでしょう。
終わりに
リハビリフォームができる以前までは非常にたくさんの福祉用具屋さんがいるけども事業所ごとの特色があまりなく、利用者にとって差別化ができないため、ケアマネージャーが仲のいい福祉用具屋さんを紹介しているケースが多くありました。
しかしリハビリフォームができてからは「従来の福祉用具屋さん」と「理学療法士の福祉用具屋さん」という利用者にとってもわかりやすい差別化が図られ、利用者が比較し選択するケースが増えてきました。
「従来の福祉用具屋さん」は従業員が多いため、緊急で福祉用具を導入する時は心強かったり、介護保険外(自費)レンタルサービスが充実しています。
一方「理学療法士の福祉用具屋さん」は前述しているように専門性・信頼性が非常に高く転倒予防に最適です。
両者それぞれに利点があるので利用者にとってどちらが合っているのかを選択することが重要です。
理学療法士という資格については別の投稿で紹介しておりますのでこちらをご覧ください。