老後に備えて検討したい住宅を建てる際の注意点

近年バリアフリー住宅が一般的となっており、新築の段階で家の中の段差が少ない、トイレや浴室や階段などに手すりが設置されているなどバリアフリー化されています。しかし、そのような住宅であっても間取りや住宅の配置によっては老後にとても生活のしにくい住宅となることがあります。

そこで今回は、今現在新築の打ち合わせ段階の方や購入の検討中の方に向けて老後に備えて検討したい住宅を建てる際の注意点について解説します。

目次

検討したい住宅を建てる際の注意点

結論から伝えると老後に苦労する住環境は以下の4つです。

  • 土地境界図線ギリギリに玄関がある
  • リビング・ダイニングのある階に1つも部屋がない
  • 2階にトイレがない
  • 外階段が多い

それでは一つ一つ解説していきます。

土地境界図線ギリギリに玄関がある

主要道路に隣接する場所に土地を購入した方で、主要道路側に自宅を配置する方がいます。

この自宅配置にすることで外のフリースペースで何かを行う際に主要道路側からの視線を遮断しプライバシーを守る効果があります。

年齢が若いころは外部からの視線を気にせず、友人と外でバーベキューをしたり、お子様が小さいうちは簡易プールを設けて一緒に遊んだりできるとても有意義なスペースですが、老後に外階段を上がることが難しくなってきた際に仇となることがあります。

主要道路側ギリギリに玄関を配置したことで外階段の手すりの取付場所・種類を限局されたりスロープを造設するスペースがないなど選択肢が狭まり、適切なアプローチができないケースもしばしばあります。

老後に階段の昇降が難しくなった際に色々な選択肢を持たせるためにも、玄関側のスペースはある程度余裕を持たせて自宅の配置場所を決定することをお勧めします。

リビング・ダイニングのある階に1つも部屋がない

自宅で過ごす時間の長い場所の一つである、リビング・ダイニングのある階に部屋を配置せず、他の階に部屋を配置するというものがあります。

これによりリビング・ダイニングのスペースを広々とした空間にし家族や友人と過ごしやすい空間を作ることができますが、老後には酷な配置となることがあります。

老後は階段の昇降が難しくなってくるため、部屋をリビング・ダイニングのある階へと移動することが非常に多くあります。しかし、リビング・ダイニングのある階に部屋が一つもないと移動する部屋がないため、強制的に階段の昇降をし続けなければなりません。

階段の昇降ができなくなったことで自宅での生活を諦め、施設に入所したという方も少なくないので、リビング・ダイニングのある階に最低1つでも部屋を配置することをお勧めします。

2階にトイレがない

2階にトイレを設置しない分だけ広くスペースを確保することができますが、これも前述した老後は階段の昇降が難しくなるため、2階部分にトイレがないと強制的に階段の昇降をしなければなりません。

近年価格高騰の影響でコストカットを余儀なくされた結果、2階部分にトイレを配置しない住宅があります。若いうちにはさほど苦労することはありませんが、ケガをしてしまった際や老後には苦労してしまいます。

トイレ造設は決して安くない工事ですが、老後に備えて投資だと考え、配置することをお勧めします。

外階段が多い

これも同様の理由で老後には階段の昇降が難しくなるためです。外階段が多く辛いために外出を控えてしまう方もいるため、できるだけ少なくすることをお勧めします。

土地価格が比較的安い部類に入る、傾斜地という土地があります。

読んで字のごとく土地自体が傾斜のついている土地を指します。近年は減ってきていますが、この傾斜地に家を建てると外階段が長くなる傾向があるため、傾斜地の購入時は特に注意することをお勧めします。

おわりに

今回は老後に備えて検討したい住宅を建てる際の注意点について解説しました。

「夢のマイホーム」は昔から変わらずですが、現在は「人生100年時代」も加わっています。この時代だからこそこれから家を建てる方々には「老後にはどんな苦労があるだろうか」というのも検討し生涯住める家を建ててもらいたいです。

人間の老化は病気等がない限り一律同じ経過を辿ります。過去に掲載した「予後予測」こちらの記事で人間の老化の順序について記載していますのでこちらの記事も参考になるかと思いますのでご一読ください。

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